十九女(つづら)池

〔岐阜羽島 ー 米原〕

関西に帰省する年末を利用して、今年は帰省途中に寄り道して新幹線の撮影をする計画を立てることにした。

数ある候補地のなかで新幹線に乗車した時の記憶や大阪までのルートを鑑みると今回は関ケ原あたりで撮影してみるという考えにいたった。

ただ寄り道といっても最近は新東名から新名神で帰省するのが通常のルートで関ケ原となると名神高速のほうに行かなければならず若干の遠回りのような気分になる。

早速ネットで関ケ原地域の新幹線撮影スポットを調べてみたところ、十九女池なる公園が多くヒットしてきたので候補地として行ってみようと考えた。

当日の天気予報は生憎の雲時々雨と新幹線に限らず写真撮影にとって厳しい条件ではあるが今回はわざわざ撮影に行くというより寄り道感覚なので雨だったら撮影するのをやめにしてそのまま実家に行こうと考えながら出発した。

例年通りの年末の帰省ラッシュによる渋滞が発生していたのと途中さらに寄り道したのが響き到着したのが15時くらいになってしまった。12月で日の入り時間も早く撮影時間が1時間ほどしかなくさらに天気のほうも雨が止んだばかりの曇り空でどうしようか迷ったけどせっかく来たしカメラもあるので撮影しようとカメラを持って公園の中に向かってみた。

中に入って驚いたのがよくありそうな公園にある池の中に普通に新幹線の高架が鎮座しているのである。

ほどなくして轟音を響かせながら1本の新幹線が高速で通過した。

さながら遊園地にあるジェットコースターを見ているような感覚になった。

さらに普段ガチガチにフェンスで囲まれたイメージがる新幹線の線路が橋のためか壁などがないせいか違うなにか新幹線を模した別のものに感じる錯覚に陥った。

とりあえず池を一周してみようとしばらく歩きだしたところでぽつぽつ雨が降り出した。

すぐに帰るつもりだったので傘も持たずに歩きだしたのでとりあえずカメラが濡れないように着ているダウンで覆ったのだがそのダウンは今年の冬に新調したもので早速雨に打たれ気分が萎えた。取り合えず写真をとろうと構えたところ入口から見たミニチュア新幹線のような景色とは違い伊吹山などが後ろにありいい感じの景色であった。

さらに雨のせいで山が霧で覆われなんだか神秘的な雰囲気になっていた。

普段から雨だ嫌いで写真も晴れているほうがいいので雨の日には絶対に撮影など行かない感じだが撮影された写真を見て雨の日もなかなかいいかもと感じた十九女池であった。

ほんの三日ほど前までネットで検索するまで存在すら知らなかった場所だが思い出深くなんだか好きな場所になった。

ちなみに「つづらいけ」の十九女という漢字はこれまたネットの情報によると、龍が19歳の美しい女性に化けて夜な夜な村内を横笛を吹いて歩いた伝説があり、その女性の年齢からきているようであるが18歳でもなく20歳でもなく19歳という年齢がなんとも言えず「十九女池」という名前もこれまたなんだか心に刺さった場所となった。

日没まで撮影したかったが一足先に帰省している子供から「今どこを走っているのか」という電話があり寄り道していることも言えず早々に後にすることにした。

その後渋滞もなく何とか夕食には間に合いみんなで食べることが出来た。

そのあと紅白を見ながら雨に濡れたカメラのメンテナンスを行うという1年の締めくくりとなった。

PS.後日気に入りすぎて東京に戻る際にも立ち寄ることになったのであった。。。

焦点距離:36mm 絞り:F6.3 シャッター:1/800秒